うどん・・・それは優しくも思い出深い食べ物
体調が悪いのに腹が減るというのは、本当に体調が悪いのか?。ラーメン食える時間帯なんだけど・・・妙にラーメン気分じゃないんだよなぁ〜。そんな珍しい気分の時には、やっぱり「うどん」ですよ。うどんと言えば思い出深い。実は、幼稚園生だった頃に、重い病気に罹ったことがあり長い間入院してたんだよねー。入院前に、今は亡き親父と一緒に食ったのが「きつねうどん」。半分以上残したんだけど、お気に入りの店屋物をわざわざ取ってくれた。喧嘩ばっかりしてた親父だったけど、食関係で「天下一品」と「味噌ラーメン」以外の思い出があったとは、今更ながら意外です。
立ち寄ったのは新宿の京王モール街。ここのJRと連絡する入口あたりに立ち食いがあるんだけど、あいにくの満席。それで確か新しい店があったよな・・・・と立ち寄ったのが「つるこし」さんです。隣はあの「つけめんTETSU」。並んでます〜。釜玉うどんでも食おうかと思っておったんですが、メニューに「自然薯」なるものを見つけた。体調悪い時はこれでしょ!栄養つけなきゃ。ってな訳でいきなり方針変更です。
ここも今や一般的になった讃岐系スタイルの注文方式。まずベースのうどんを選び、受け取ってからトッピングの誘惑を通り抜けてレジに立つという仕組み。この罠にまんまと毎回ハマってしまうオレ。体調悪いってのに、磯辺揚げと半熟卵天があれば無意識にピックアップしてしまいます(アホだ・・・)。それでもって、結局料金は英世一枚近くになる(泣)。定食以上のプライスインパクトに衝撃を受けての実食です。せめて爪痕残そうと・・・・うどん出汁(ここではセルフで入れる方式)をタプタプ多めに注ぎ込み、ちっぽけな仕返しを食らわせます。
バカだよな・・・。せっかくの自然薯が出汁で薄まってしまった(号泣)。おまけに仕返しすぎて天かす入れたため、自然薯の風合いがマスキングされてしまったじゃないか(大号泣)。オレは大馬鹿野郎だぜ!。しかしこれも受け止めて食らうしかない。
自責で下げモードで食い始めた次第だが・・・・、嗚呼やはり「うどんは優しい」。どんな形であろうと、うまいわ・・・。出汁で薄まって、天かすの油が染みたうどん出汁のはずが、旨味の集合体としての懐の深さがある。しかも、ラーメンとは全く違うあっさりさを伴う深さ。鰹の節系の旨味だけじゃないと思うが、アニマルオフの旨さを実に象徴してます。
そして自然薯のコクがやっぱり生きる!。擦ってネバネバした部分が多少のとろみとなりますが、風味がやっぱり自然薯の強さを含む。この風合いと旨味は滋味ですよ。かつて徒歩が移動手段だった江戸時代以前、長い旅路を癒してくれたのは、自然薯と飯と汁物だったらしい。栄養素の代表格で、現代の感覚なら、おかゆか雑炊にリポビタンDが浸透しているのと同等な有り難さであった事かもしれません。
そして肝心のうどんですが・・・これが意外にもまた上品さと素朴さを感じます。まず上品さで言えばツルツル表面としなやかな全体像。讃岐系の腰強さを予想してましたが、まるで京うどんのようなしなやかさです。もちもち度合いも高いながらも、引っ張り強さも併せ持つ。麺の風合いよりも出汁を吸い、もちもちさの感触がうまいと思わせるポイントでしょう。まさに喉越しも良い!
そしてトッピング。磯辺揚げは、もう少し肉厚さと風味が欲しかった次第。青海苔の風味と、ちくわの食感と、揚げた衣のサクサク感が、運悪くたまたまだったのだろうが・・・。半熟卵天は、いわゆる味玉を天ぷらにした雰囲気で、名店と比較してはいけないが、(一定の)旨さは確かにあり!。
ともあれ、ちょうど良い腹具合になって大満足で帰りました。今回はチョイスをテンパってしまい、グダグダになってしまいましたが、ポテンシャルは感じます。また来ると思うので、次回は確実にうどん喰い野郎のセンス全開で楽しみたいと思います。今日はごちそうさまでした!